書きたい事は日々あるのですが・・・
多忙で体力と気力が・・・Z(^ ^;)。。。
今日は、せっけん関係の話はちょっと置いといて、
建築の瑕疵について一言書いてみたいと思います。
ご存知の方もおられると思いますが、ここで「建築の瑕疵」とはどういうことか?
ちょっと調べてみました。
瑕疵(かし)→これを辞書で調べると、
1.きず
2.欠点
3.あやまち
と書いてありました。
私は「建築の瑕疵」と言う時は施工管理責任者、あるいは施工担当者の過失によって
施工品質に問題が生じる事、というふうに理解しています。
以前、地震などと関係なくタイルが剥がれ落ちて死傷者が出た、という大変不幸な事故のニュースを聞いた事があります。
そのニュースに対し「タイル施工業界紙」で早速、原因究明とその意見公告を読みました。
それを要約すると、「タイル外壁が落ちた(剥がれて)というが、タイルは下地のモルタルに非常によく接着をしている。剥がれたのはモルタル塗りと躯体のコンクリートの界面であり、したがってタイルが剥がれた、というのは当たらない。左官工事に問題がある」
といった結論だったと記憶しています。
それでは、「左官工事」の責任なのでしょうか?左官屋の瑕疵責任?
再三申しあげておりますが、私は「左官・タイル工事」の両方を担当しておりますので、
私なりの感想を持っています。
まず、剥がれ落ちた躯体のコンクリート面とそこに塗られたモルタル塗りが、どうして
剥離してしまったのでしょうか。
ご存知の通り、RC構造(コンクリート構造)では、
型枠→鉄筋配筋→型枠完了→コンクリート打設→脱型
といった工程で工事が進行します。
その際に、型枠に打設するコンクリートの付着防止のため、「離型剤」という「あぶら」を
型枠に塗っています。
昔は木製型枠が主流で、とくに「コンパネ」(コンクリート・パネルの略)
{耐水T類合板12mm}になる前は型枠面が凸凹で表面精度が出ない事の方が多かったので、
脱型後「斫り屋」さんが凸部を斫り取り、左官屋が下地修正モルタル塗りをすることが普通でした。
その後、コンパネ型枠が能率と精度の両面から一気に普及しました。
しかし、日本が大量にコンパネなどの合板製造などのため、諸外国の森林資源を浪費している、との
指摘があり、だんだんメタルフォーム(鉄板など、金属性型枠)に取って代わっていきました。
今では、大型構造物はもちろん、住宅の基礎にさえ「コンパネ」を使う事は希になってきています。
さて、これからが本題です。
冒頭に申しあげた通り、「タイルの外壁が落ちた」という事実は、その昔の工法ではあまり起こらなかった。
なぜなら、
型枠精度が悪く、脱型後に凸部を斫り取ることが多く、左官の手間を掛けた施工により、
接着の基本である「のりくぎ併用」が確保されていた。
からだと私は思います。
さらに、現代の最新工法であるメタルフォームは脱型後のコンクリート表面は非常に精度がよく、平坦で
かつ光沢すらあります。
これは、私が再三言っているJIS規定のコンクリート用化学混和剤(高性能減水剤)によるところも大きいのです。
コンクリート躯体の事だけに限定すれば、それはそれでよいのでしょう。
しかしながら、コンクリートのままで仕上げとすることはあまり一般的ではありませんし、現代のように
大気汚染により「レモン果汁」の酸性度と同等なpHを持つ雨が(酸性雨)降ることも珍しくない今日、
コンクリート保護の観点からも、化粧保護をすることが建物の躯体を守り、建物の寿命を延ばす、
ということからも大変重要だと私は思っています。
〈注〉コンクリートはアルカリ性であることで、その性能が保証されます。酸性雨などによりコンクリートが「中性化」することでコンクリートの劣化が進みます。
さて、先ほども申しあげた通り、メタルフォームにより表面精度良く打設されたコンクリート表面には、脱型時に
どうしても「あぶら」つまり離型剤が染み込んで残っている。
設計者はその表面の状態に全く「関心がない?!」
そして、モルタル塗り何mmとか、設計指示をする。
現場監督は設計図書に従わなければならない→→→つまり、左官屋に設計図に「何mm」塗れ、とあるからそれを指示する。
施工担当の左官屋は、監督の指示に従い、JISマークのついたエマルジョン接着剤などをメーカーの規定どおり、コンクリート
面に塗り、モルタルを塗って仕上げる。(自信を持って→仕様書の規定どおりに施工)
そして、タイル屋が今度はタイルを貼って仕上げ、となる。
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私の言いたいことは、感の良い皆さんには(素人さんでも)もう、お気づきですね?!
表面がつるつるの油の染み込んだコンクリート面に接着剤(ちゃんとJISマーク付きの)をぺろっと塗り、
モルタル塗りをし、タイルなどで仕上げる。
そのことを、設計者、現場監督、施工者、施主のいずれもが疑問を持たないとしたら・・・
私には、むしろ剥がれ落ちる方が自然のような気がします。
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突然ですが話はここで全く別の話になります。
私の良く知っている、左官工事の老舗で起きた事故の話です。
ある、高級な木造注文住宅で元請である工務店の指示で広いフロアの天井全体を「しっくいなであげ」仕上げ
することになった。
下地は木軸、7mmの石膏ラスボードを工務店は天井の塗り物の下地として施工、その後、左官工事として
建築学会の仕様書どおり石膏プラスターで下地塗りを仕上げ、その後しっくいを塗って仕上げ、なで上げのため
何度も押さえている時に、事故は起きた。
塗り付けた天井の材料はおろか、天井の下地である石膏ラスボードごとそっくり脱落した、というものだ。
この後、どうなったか?皆さん知りたいですよね?
工務店はこう言い放ったそうです。
壁が落ちたのだから、これは全面的に「左官屋のせい」、つまり瑕疵責任は左官屋だけにあると・・・・。
信じられない事ですが、事実です!
一般木造建築では、設計管理の全責任を「工務店」が負うのが一般的のはず。
そして、施工管理費その他も予算に計上してあるはず・・・。
ボードの界面から脱落したのならともかく、ボードごと脱落していること、仮に左官業者が下地に不安を持ったとしても
下請けである以上、下地をもっと丈夫にしてくれとは、とても言いにくいはずです。
仮に左官屋に責任の一端があるにしても、下地を(仕上げ材料を選定して、しかも自身で下地を)施工し、施工管理責任の
あるはずの工務店が「これ」ですから。
もちろんそんな工務店はごく一部だと信じたいですが・・・
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